歴史に葬られた100年前の事件をもとに描かれる、映画『福田村事件』。今この物語から目を背けてはいけない。(動画)

インタビュー
©「福田村事件」プロジェクト 2023

関東大震災から100年となる、2023年9月1日。歴史に葬られ、これまでほとんどの人が知ることのなかった大事件「福田村事件」…その実話をもとにした一本の映画が公開される。
オウム真理教信者たちの日常を追った映画『A』、2014年に騒動となった佐村河内守の”ゴーストライター問題”を題材にした『FAKE』、第93回キネマ旬報ベストテンで文化部門第1位となった『i-新聞記者ドキュメント-』など骨太のドキュメンタリーを手掛けてきた森達也監督が劇映画として完成させた。ラスト40分の衝撃。この惨事にあなたは何を思うでしょうか?

映画『福田村事件』森達也監督インタビュー🎤

映画『福田村事件』を解説!

映画『福田村事件』とは?

1923年9月1日11時58分、関東大地震が発生した。そのわずか5日後の9月6日のこと。千葉県東葛飾郡福田村に住む自警団を含む100人以上の村人たちにより、利根川沿いで香川から訪れた薬売りの行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺された。行商団は、讃岐弁で話していたことで朝鮮人と疑われ殺害されたのだ。逮捕されたのは自警団員8人。逮捕者は実刑になったものの、大正天皇の死去に関連する恩赦ですぐに釈放された…。これが100年の間、歴史の闇に葬られていた『福田村事件』だ。行き交う情報に惑わされ生存への不安や恐怖に煽られたとき、集団心理は加速し、群衆は暴走する。
ただ日々を懸命に生きていた村人たちは、なぜ暴徒と化したのか?これを過去の事件として他人事として捉えていいのだろうか?今を生きる私たちに問われるものとは?

映画『福田村事件』ストーリーは?

大正デモクラシーの喧騒の裏で、マスコミは、政府の失政を隠すようにこぞって「…いずれは社会主義者か鮮人か、はたまた不逞の輩の仕業か」と世論を煽り、市民の不安と恐怖は徐々に高まっていた。そんな中、朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃した澤田智一(井浦新)は、妻の静子(田中麗奈)を連れ、智一が教師をしていた日本統治下の京城を離れ、故郷の福田村に帰ってきた。同じ頃、沼部新助(永山瑛太)率いる薬売りの行商団は、関東地方へ向かうため四国の讃岐を出発する。長閑な日々を打ち破るかのように、9月1日、空前絶後の揺れが関東地方を襲った。木々は倒れ、家は倒壊し、そして大火災が発生して無辜なる多くの人々が命を失った。そんな中でいつしか流言飛語が飛び交い、瞬く間にそれは関東近縁の町や村に伝わっていった。2日には東京府下に戒厳令が施行され、3日には神奈川に、4日には福田村がある千葉にも拡大され、多くの人々は大混乱に陥った。福田村にも避難民から「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」との情報がもたらされ、疑心暗鬼に陥り、人々は恐怖に浮足立つ。地元の新聞社は、情報の真偽を確かめるために躍起となるが、その実体は杳としてつかめないでいた。震災後の混乱に乗じて、亀戸署では、社会主義者への弾圧が、秘かに行われていた。そして9月6日、偶然と不安、恐怖が折り重なり、後に歴史に葬られることとなる大事件が起きる―。

公式HPより

作品概要

作品概要

■タイトル:「福田村事件」2023年9月1日(金)全国公開

■監督:森達也
■脚本:佐伯俊道 井上淳一 荒井晴彦

■出演:井浦新 田中麗奈
    永山瑛太
    東出昌大 コムアイ 木竜麻生 松浦祐也 向里祐香 杉田雷麟 カトウシンスケ
    ピエール瀧 水道橋博士 豊原功補 柄本明

■配給:太秦

■公式HP:https://www.fukudamura1923.jp/

©「福田村事件」プロジェクト 2023

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