vol.124 『ブラック校則』 佐藤勝利さん、髙橋海人さん 名古屋舞台挨拶

映画『ブラック校則』 佐藤勝利さん、髙橋海人さん 名古屋舞台挨拶 【過去記事】シネマクエスト「神取恭子のシネマコラム」

立ち上がれ!今だ!早く!

久しぶりに好きな学園青春映画に出会った。

ちょっと失礼かもしれないが、『ブラック校則』は序盤はさほどでもないけど、ラストに向けて気持ちがどんどん高ぶってくる!(この最初の期待値低めなところがいい!)

加えて、同時進行で放送しているドラマもかなり面白い。(Huluは観ていないので地上波ドラマ)

同時進行なので映画の前日譚でも後日譚でもない。

映画の中で描かれていることの裏側というか、実はこういうことが起こっていたのか!という、補足のような、追い調味料のような内容のドラマ。

日テレのプロデューサーさんとお話したところ、ドラマを観ると映画を観たくなるし、映画を観るとドラマを観たくなる、という仕掛けらしい。納得。

長谷川博己さん主演の『鈴木先生』のような鬱々とした学校の雰囲気や、『桐島、部活やめるってよ』のような後半の疾走感はぜひ劇場で味わってほしい。

主演の佐藤勝利さん(Sexy Zone)は映画単独初主演とのこと。

冒頭のシーンから気になっていたのは、佐藤さん演じる創楽(そら)の声が小さい、というか覇気がなさすぎ。アナウンサーとしての職業病ですが、発声がなっていない!と気になって仕方なかった。

でも、ごめんなさい。創楽というキャラクターの発声はそれで正解でした。存在感ゼロの創楽だからこその声でした。そんな創楽が好きな女の子のために“ブラック校則”を変えさせようと立ち上がる様は、何ともイタ気持ちいい!

髙橋海人さん(King & Prince)は映画初出演。今回演じた中弥(ちゅうや)は、ちょっと掴みどころのないご本人に近いキャラクターのように思うが、内に秘めている思いに、年上女子はグッとくるはず。

(髙橋さんに挨拶した瞬間に「高校の時の保健の先生にめっちゃ似てます。大好きでした。」と言われたアラフォーおばさんはちょっとドキドキしちゃったじゃないか(笑)!冗談でも嬉しいものです。)

今回は、主演の佐藤勝利さん、髙橋海人さんが登壇した名古屋舞台挨拶の司会をさせてもらいました。

一回目と二回目は、それぞれ、まったく違う雰囲気の舞台挨拶に。

司会をしていて、お二人の魅力の奥深さを感じずにはいられませんでした。

一回目は…

公開3日目は、福岡~大阪~名古屋と西日本を大移動。名古屋はこの日最後の舞台挨拶。

疲れを見せない(髙橋さんは20年間ずっと時差ボケと言っていましたが…)爽やかな登場に会場から黄色い声援が送られました。

今回の舞台挨拶は客席からの質問とTwitterで事前に募集した質問にお二人に応えてもらうという構成。

一回目の舞台挨拶では、映画の公開に向けて様々なメディアで取り上げられているお二人に対し、

――「お気に入りのポーズは?」との質問が。

佐藤さん「撮影の時に“もっと近づいて!もっと近づいて!”とよく言われるんですよ。何を求めているのかな?キンプリはどうなの?」

髙橋さん「キンプリは、恥ずかしいので、ちょっと離れていいですか?って言いますね。」

佐藤さん「Sexy Zoneは下の2人が積極的にくっついてきます。」

その後、二人は、雑誌「anan」の表紙(佐藤さんが髙橋さんの肩にあごを乗せるポーズ)を再現。

髙橋さん「このポーズ、略して“かたあご”って言うんです。皆さん心のシャッターを切りましたか?」

――Twitterからの「撮影中にもらって一番嬉しかった差し入れは?」との質問には、

佐藤さん「今回大先輩からいただきました。」

髙橋さん「亀梨さんから、ばちぼこにオシャレなコーヒーをいただきました。」

佐藤さん「世の中にあんなオシャレなものないよな!」

髙橋さん「僕たちも二人で差し入れしました。ばちぼこにデカい・・・」

佐藤さん「全部ばちぼこだな(笑)。スタッフさんも疲れている時期だったので、ガッツリ系のステーキとかえびふりゃーとか!」

その後も小さい頃から大事にしているものや、学生時代の部活で厳しかった“部の規則”など質問されると、お二人の軽妙なノリ突っ込みが繰り広げられ、会場は大盛り上がりでした。

佐藤さんが子どものころに作ったという、脚が五本ある緑色の椅子、その名も“頑固な椅子”が気になって仕方ありません。

二回目は…

一回目よりもさらに大きな声援を受けお二人登場。

佐藤さん「この映画は熱を込めて作りました。上映前なのでギリギリトークをしていきたいと思います。」

髙橋さん「皆さん、ホントにこんばんは!昨日楽しみ過ぎて眠れなかった方?半分くらいは眠れたみたいですね。僕も楽しみで、寝ました!上映前なのでできる限りネタバレしていこうと思います。」

佐藤さん「ダメダメ(笑)!ギリギリで!」

――ライブでよくいらっしゃると思いますが、名古屋の印象は?

佐藤さん「名古屋と言えば、ひつまぶし。ひつまぶしはすごいですよね。3回楽しめるもん。Sexy Zoneのメンバーも皆好きです。ただ頭の中でいつも“ひつまぶし”と“ひまつぶし”がごっちゃになっちゃう・・・」

髙橋さん「なりますね~。」

佐藤さん「あれ?俺一人だけかと思ったら…」

髙橋さん「大丈夫、勝利君だけじゃない!」

佐藤さん「あ!皆なるんだ!キンプリも結構(名古屋に)来てるよね?」

髙橋さん「そうそう。うちには“ナゴヤー”がいるので。平野紫耀がね。なので、勝手にホーム感を感じています。個人的には手羽先が好きです。」

――Twitterでの質問。「来年から社会人です。理不尽なことにはどう対処したらいいですか?」

佐藤さん「学校を出たら違うもんね。『ブラック校則』をやったので、色んな社会問題の勉強になりました。うーん、しなくてもいい我慢もあると思う。自分がやりたいと思ったことをやっている人生の方が楽しいと思うから。もちろん、我慢が必要になることも多くなると思うけど、一個外して、やりたいことやることが大事なのかなと思います。海人君は20歳になったばかりだね?」

髙橋さん「そうですね。社会人になったばかりで、まだ理不尽加減を理解できていないところもあるんですけど。知り合いの方に教わったことがあって、例えば僕で言うと、アイドル活動をしながら、趣味でやっていた絵が仕事になって漫画を描かせていただいたり、アイドルをやっていて大変だなと思う時も、こっちに自分の趣味があって楽しいことがあるから、ストレス解消というか楽しめる。だから、会社とかで嫌なことがあっても好きなことが…、でも!もうできてるじゃん!勝利君のファンでしょ?アイドルを応援することが楽しみになっているとしたら、もっといっぱい勝利君に会ったり、勝利君の出ている映画を観たり、雑誌を見たり。僕たちはそれが皆の生きがいになればいいなと思ってやっています。」

佐藤さん「好きなものを追いかけたり、好きなもののためにとかね。あ!それが俺なのか(笑)!(海人は)アイドルの鏡だな!」

――「映画は希央のために“ブラック校則”をなくそうとする物語ですが、お二人は何のためなら立ち上がれますか?」

髙橋さん「勝利君は、ずっとワンちゃんの話をしていますから。」

佐藤さん「そうなんですよ。ドッグカメラをずっと見てるもん。チャイのためですね。映画の公開日がチャイの誕生日で、舞台挨拶回りをしているので、まだちゃんとお祝いできていないんです。誕生日の朝はチャイの部屋にハッピーバースデーを歌いながら入りました。」

髙橋さん「えー!そうなんですか!可愛い!チャイは嬉しいですよ!」

佐藤さん「チャイのためだったら、部屋のカーテンを手縫いで作ったり。もし億万長者になれるんだったら、チャイの家を建てたいです。」

髙橋さん「チャイになりたい!」

佐藤さん「私はチャイになりたい(笑)。海人は?」

髙橋さん「アイドルだったら“ファンのため”とか言うんだよね?でも、メンバーですね!ずっとジュニアの頃から一緒にやってきたライバルであり、同士でもあるので、誰かが折れたりしたら励ますこととかも…何かマジな回答ですね。」

佐藤さん「いいと思うよ!」

髙橋さん「ホントに!(自分は)普段こんなヤツじゃないんですよ~(笑)!」

――客席からの質問。「役作りでこだわったことは?」

髙橋さん「撮影は二か月間だったんですけど、常にどうやってふざけるかを考えていましたね。言い方も、高校の時、友達がこんなこと言ってたなとか、キンプリのメンバーの中でも面白い行動をする人がたくさんいるので、そういう中から面白いものを抽出して、自分の中に落とし込みましたね。」

佐藤さん「創楽は、何もない役なので難しいんですよね。個性がないとか、空気とか、キャラクターが無い役なんですけど、感情が見えないといけない。より人として言葉をちゃんと言えないといけないなと、すごく考えました。中学からの友達に電話して、普段自分がどんな声で電話しているかを録音して聞き直しました。リアルな自分を表現できないと感情を出せないと思ったので。」

――最後にお二人からメッセージを。

髙橋さん「この映画は観た後に何かをやりたいなと絶対に思える作品になっていると思います。各々、皆さんで感じ取ってもらって、頭の中で考えてもらって、自分のセンスを研ぎ澄まして、何かに勇気をもって立ち上がれるような人になって…あれ?校長先生みたいになっちゃった(笑)。そういうところも含めてまるっと楽しんでください(笑)!」

佐藤さん「この映画は何もできない小野田創楽が、海人が演じてくれた中弥にフォローしてもらいながら、二人で成長していくストーリーです。一生懸命さがすごく大事だと思っていて、それが伝わればいいなと思っています。なかなか何かを全力をやることが格好悪いと思われたり、ダサいなと言われることもあると思うんですけど、そうじゃないと思うんです。この映画も本気でやったヤツが得をする話です。だから皆が本気でして欲しいのは、SNSを使って…冗談です(笑)。本当に勇気を皆に渡せたらなと思っているので受け取ってください。」

映画『ブラック校則』 佐藤勝利さん、髙橋海人さん 名古屋舞台挨拶

二人とも14歳でジャニーズ事務所に入り、アイドルとしてこれまで活躍してきたからこそのコメント、メッセージがとても素敵でした。

一回目と二回目のお二人の雰囲気が全然違うので、本当に同じ人?と思ってしまうほどでしたが、もちろん、どちらの姿も佐藤勝利さんと髙橋海人さんに違いないのです。

きっとファンには見せないけど、色々なものを乗り越えてきた二人なのではないかと。

映画の題材は“ブラック校則”をなくすという青春ものですが、“立ち上がる”とかいう暑苦しさを忘れてしまった大人にこそ観てほしい。

何でこんなに熱っぽいコラムを書いちゃってるんだろう?

『ブラック校則』に“目を覚ませ!”と、ビンタされたからかも。

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