筒井康隆さんの老人文学の傑作「敵」に、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』『騙し絵の牙』の吉田大八監督が挑む。
俳優歴50年を迎える長塚京三さんが12年ぶりに映画主演、第37回東京国際映画祭で、東京グランプリ、最優秀男優賞、最優秀監督賞の三冠を獲得したことでも話題の作品の公開前日に吉田監督にインタビューさせてもらいました🎤
映画『敵』 吉田大八監督インタビュ🎤(動画)
「ほとんど直感です!…こんなこと言っていいのかな?」
そう笑いながら語る吉田監督。
取材をさせてもらうのはかなり久しぶりだが、私の中の吉田監督のイメージは、綿密にプランを立てて作品を組み立てる、そんなタイプの監督だと思っていた。
しかし、今回のインタビューで飛び出したのは冒頭の言葉だ。
ほとんどのことは直感で決まっていて、その直感の裏付けは後付けなのだと。
とても意外だったが、手掛ける作品どれもが見事にに観客の心を掴んでいる吉田監督だからこそ、”直感”という言葉の説得力は半端ない。
長塚さん演じる77歳の元大学教授・儀助の品のある佇まいと丁寧な暮らしぶり。
とても理想的な老後生活に見える一方で、穏やかな日常にだんだんと”敵”が忍び寄る…。
吉田監督の作品の私的大好きポイント、後半の怒涛の引っ掻き回し展開に今回も鮮やかに翻弄されました。
公開前日の吉田監督インタビューはこちらからご覧ください↓
映画『敵』を解説!
映画『敵』とは?
筒井康隆氏の同名小説を、『桐島、部活やめるってよ』『騙し絵の牙』の吉田大八監督が映画化。
穏やかに老後を過ごす元大学教授の元に、ある日「敵」が現れる…という主人公も観ている私たちも、夢か現か混濁し翻弄されていく物語だ。
主人公・儀助を演じるのは12年ぶりの映画主演となる長塚京三。教え子を瀧内公美、20年前に亡くなった儀助の妻を黒沢あすか、バーで出会うフランス文学を学ぶ大学生を河合優実が演じる。その他、松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。
映画『敵』ストーリーは?
渡辺儀助、77歳。フランス近代演劇史を専門とする元大学教授。リタイアして10年、妻には先立たれ、実家の古民家で一人慎ましく暮らしている。講演や執筆で得られるわずかな収入と預貯金があと何年持つか、あと何年生きられるかを計算しながらも平和に過ぎる毎日。
毎朝決まった時間に起き、料理を作り、書斎に並ぶ書籍や文具に至るまでこだわり、丹念に扱う。
時には気の置けない友人と静かに酒を酌み交わし、教え子を自宅に招いてディナーを振舞うことも。
そんな平穏な日々を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる…。
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