大学院生の実体験に基づいた研究ルポを映画化した映画『フィリピンパブ嬢の社会学』。 日本で働く外国人女性労働者の実態をリアルに描いた異色のラブストーリー。 愛知県春日井市やフィリピンでも撮影が行われた本作の制作秘話を前田航基、一宮レイゼル、ステファニー・アリアン、白羽弥仁監督に伺った。(動画でご覧いただけます)
また、私が司会を担当させてもらった、愛知先行公開記念舞台挨拶の模様もレポートします🎤
前田航基、単独初主演とは気づかず?!フィリピンロケの裏話も語る(動画🎥)
舞台挨拶レポート🎤
11月10日(金)に愛知先行公開を迎えた本作。これを記念し、11日(土)、ミッドランドスクエアシネマにて愛知先行公開記念舞台挨拶が行われた。
登壇したのは 主演の前田航基、一宮レイゼル、白羽弥仁監督。上映終了後の熱気漂う中、盛大な拍手で迎えられた。満席の客席を見渡し、前田さんは、感激の面持ちでご挨拶。それに続いてレイゼルさんはタガログ語で「こんにちは」と挨拶し、前田さんも「ありがとう」とフィリピン語を披露するなど、息のあったところを見せた。白羽監督は「満席の会場に胸がいっぱい」と企画から5年を経て、ようやく公開を迎えた現在の心境を語った。
撮影は愛知県春日井市をメインに名古屋でも!
撮影期間を通じて名古屋に滞在していた前田さん、名古屋の印象を聞かれると「差し入れでいただいたうなぎ弁当が美味しくて、オフの日もひつまぶしを食べにいくほど本当に大好き」と言い、レイゼルさんは「ひつまぶし昨日も食べました。いくらでも食べられます」と重ね、さらに白羽監督は「よくスタッフで行っていた焼鳥屋さんのおばちゃんにも本作に出演してもらったりと街ぐるみで応援していただいたことが思い出深い」と愛知県での思い出を語った。
人見知りの二人に監督はやきもき
また、実話をもとにした作品ということで、役作りについて聞かれた前田さんは「相手を思う気持ちなど等身大で演じることができた」と語り、レイゼルさんは「映画初出演なので台本を読んで感じたままの気持ちで撮影に挑んだ」と演技経験がほとんどないながら奮闘した当時を思い出していた。そんな二人に対して、白羽監督は「最初は人見知りでぎこちなかった二人が、映画と同じく自然と仲良くなっていったのは良かった」と劇中の翔太とミカと同じように徐々に打ち解けていく二人をやきもきしながら見守った撮影当時を振り返った。
フィリピンロケには本物の親戚が?!
フィリピンロケについては、前田さんは「最高でした!ご飯が美味しくて、人が温かくておおらかで優しくてとても素敵な国でした」と印象を述べ、「親戚が集まるシーンでは本物の親戚がたくさん出ていたので、本当に里帰りしたみたいだった」と語るレイゼルさんに対して、「翌日撮影に使うお土産を親戚に配っちゃったので回収してまた配ったんだよね」と監督が裏話を披露し、会場の笑いを誘った。「社会学」という映画タイトルにかけた”愛知県の気になる社会性や文化”については、前田さんは「モーニングで代表されるようにおもてなし精神やサービス精神が旺盛」、レイゼルさんは「トヨタ車が多い」、白羽監督は「街全体がファミリーのよう」とそれぞれ印象を述べた。
原作者のサプライズも!
撮影中のエピソード話が続く中、今回観客として来ていた、原作者の中島弘象さんから花束贈呈のサプライズが!会場から熱い拍手が送られる中、一同少し照れながらも花束を受け取った。
前田さんは、「とても素敵なお話の映画化に参加させていただけて光栄でした」と感謝の言葉を述べ、締めの挨拶では監督は「前向きな気持ちを大切に、世界平和を願った気持ちをこめて作った作品です」、レイゼルさんは「フィリピン人の魅力そのもの、たくさんの方々に届けてほしい」と語った。
最後に前田さんが「春日井の皆様に応援いただき、春日井だったからこそできた映画。自信をもってこの映画を全国、全世界に見てもらいたいと思っていて、こんなにフィリピンがいい国なんだよ、春日井ってこんなに素敵な所なんだよと、国と国が違っても愛があれば分かり合えることを伝えたい」と熱いメッセージで締めくくり、会場はあたたかな空気に包まれた。
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』を解説!
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』とは?
本作は原作者・中島弘象氏による実体験を描いた話題の新書「フィリピンパブ嬢の社会学」の映画化です。フィリピンパブの裏側で未だ行われている偽装結婚を背景に、多文化共生のあり方を『能登の花ヨメ」『ママ、ごはんまだ?』の白羽弥仁監督が描く。
主人公の中島翔太役には、2011年に映画「奇跡(監督:是枝裕和)」で、弟の前田旺志郎さんとW主演で鮮烈なデビューを飾った前田航基。今回は11年ぶりの主演(単独としては初主演)となる。ヒロインのフィリピンパブ嬢ミカ役には、映画初出演となる一宮レイゼルが東京、愛知で開催された全国オーディションにて抜擢された。共演には、近藤芳正、勝野洋、田中美里、仁科貴をはじめ、カンヌ国際映画祭で高く評価された映画『PLAN75』のステファニー・アリアンや『ONODA一万夜を越えて』で主演の津田寛治、『東京不穏詩』で大阪アジアン映画祭の最優秀女優賞に輝いた飯島珠奈など、国内外で活躍する俳優陣が脇を固めている。
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』ストーリーは?
<STORY>
フィリピンパブを大学の研究対象にしていた日本の大学院生・中島翔太(前田航基)は、パブで偶然出会ったフィリピン人女性のミカ(一宮レイゼル)に詰め寄られ、お付き合いを始めることになります。しかし、彼女は偽装結婚をしていることが後になって判明します。 月給6万円、ゴキブリ部屋に監視付、休みは月に2回だけといった彼女の過酷な生活環境を目のあたりにする翔太。一方、強く逞しいミカは現状にめげることなく働き続け、故郷・フィリピンで暮らす両親の元に翔太を連れていきます。いつしか彼女を大切に想う気持ちが強まっていく翔太は、ミカに懇願されてヤクザの元に乗り込むことに―
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