vol.212 映画『劇場版 おいしい給食 卒業』市原隼人さん、ボイメン 勇翔さん・田村侑久さん・辻本達規さん、綾部真弥監督 名古屋舞台挨拶

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』 市原隼人さん、ボイメン 勇翔さん・田村侑久さん・辻本達規さん、綾部真弥監督 名古屋舞台挨拶 【過去記事】シネマクエスト「神取恭子のシネマコラム」

意外なほどに、大感動してしまった。

勝手に“給食コメディ”だと思ってしまっていて、甘く見ていました。(もちろん笑えるシーン満載ですが)

ドラマseason1から劇場版になり、そしてドラマseason2、今回の劇場版第2弾と、着実にシリーズ化している『おいしい給食』。

市原隼人さん演じる中学校教師・甘利田先生は給食を食べることに異常なまでの情熱を注ぐ“給食マニア”。ライバルであり同士の生徒・神野ゴウと、「どちらが給食をおいしく食べるか」という闘いを日々繰り広げている。

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』

この作品の面白さは、“ジェネレーションギャップ”があればあるほど話が盛り上がるところだ。

作品の舞台は1980年代。1977年生まれの私にとっては小学生時代。まさに給食を毎日楽しみにしていたころ。

劇中に出てくる配膳用の銀色の食器。あれを見ただけでも子どものころの記憶が蘇ってくる。うちの学校の食器は銀色はくすんでいぶし銀になり、使い込まれ過ぎてベコベコになっていたけど。そういうツッコミどころがある方がより記憶に残るものですね。

小学校か中学校の卒業のタイミングで、銀色の食器からプラスチックの器に変わるとかで、記念にもらって帰った記憶がある。当時は「いらんわw」と思ったけど、給食が遠い昔の良き思い出になった今なら、揚げパンとかをのせて給食ごっこをしたりして、子どもの舌に戻ってよりおいしく感じられるんじゃないか。

と、こんな話を、同年代と懐かしむもよし、ちょっと下の世代との違いで驚くもよし、現役給食世代の甥っ子姪っ子たちに今の給食事情を聞くもよし。学校給食はほぼすべての人が通ってきた道。甘利田先生ほどの“給食愛”はなくても、誰もが“給食”のキーワードで語れる思い出のひとつやふたつはあるのでは?

現にこの『劇場版 おいしい給食 卒業』の舞台挨拶の取材前に、映画ライターさんたちと“ソフトめん”の話題でひと盛り上がりした。大好きだったあのまったくコシのないめん。銀の食器で食べたら一気に小学校の教室に戻れそうだ。

私の記憶の中の給食の風景は机をくっつけてみんなで向かい合ってワイワイ食べること。劇中の給食シーンも同じだ。

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』

いま、この『おいしい給食』が観る人に感動を与えるのは、そんな“密”が当たり前でなくなってしまったからだと思う。今年小学3年生になった姪っ子は入学した時からずっと黙食。彼女の給食の思い出は確実に私たちの思い出とは風景が違う。

机をくっつけてワイワイをはじめから知らないなら、それはそれで…、なんて私は思えない。給食の密の尊さを、改めてこの『おいしい給食』が教えてくれた。

いまだからこそ、この作品のメッセージが深くしみわたる。それだけでは終わらせずに、じゃあ、現役給食世代の子どもたちに、私たちはどんなことをしてあげられるかを考え行動していきたい。そう思える熱量のある作品だった。このシリーズまだまだ続いてほしい。

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』

公開3日目に行われた名古屋での舞台挨拶に主演の市原隼人さん、BOYS AND MENの勇翔さん、田村侑久さん、今作には出ていない辻本達規さん、綾部真弥監督が登壇。熱いメッセージを動画でご覧ください。(カメラを持つ手が笑いすぎて若干プルプルしています。ご了承ください。)

シネマクエスト 神取恭子のシネマコラム vol.212 映画『劇場版 おいしい給食 卒業』 市原隼人さん、ボイメン 勇翔さん・田村侑久さん・辻本達規さん、綾部真弥監督 名古屋舞台挨拶

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