GWに映画好きティーン集まる
『淵に立つ』『本気のしるし』などが国内外で高く評価されている、日本を代表する映画監督・深田晃司監督が、「メ~テレシネマ映画祭2022」(5月20日~26日@伏見ミリオン座)の企画として行われた「映画ワークショップ」に登壇した。
これは、2022年4月に開局60周年を迎えたメ~テレ(名古屋テレビ放送)が、“地元の人々により映画に親しんでもらおう”と企画したもので、「メ~テレシネマ映画祭presents ティーン映画ワークショップ」と題して、ゴールデンウィーク中の3日間に渡って無料で開催された。
5月3日は名古屋市中区の東別院ホールで、小中学生に向けた「映画鑑賞セミナー」を。4日、5日はメ~テレ社内で高校生対象の「映画制作ワークショップ」が行われた。
日本を代表する映画監督がやさしくレクチャー
「映画の楽しさを知ろう!」をテーマに行われた「鑑賞セミナー」には小中学生(保護者含む)83人が参加。午前の小学生の部では、フランスのアニメ映画『マロナの幻想的な物語り』。午後の中学生の部では、チャールズ・チャップリンの『モダン・タイムス』を上映。映画の歴史や映画鑑賞のポイントがレクチャーされた。
映画上映前の事前学習では、「映画はいつごろから始まったのか?」「映画の元になったものは何か?」「最初に映画を上映したのは誰か?」など、深田監督からのクイズに生徒が積極的に回答する姿が見られた。
また、中学生の部では、カメラの原理を知ってもらうため、段ボール箱で作った「カメラ・オブスキュラ」を使用。「カメラ・オブスキュラ」とは、カメラが発明されるより前、外の風景を部屋の中に映し出すために使われていた道具で、生徒・保護者たちは東別院ホールから、隣のメ~テレ本社内の多目的ホールに移動して、思い思いに段ボール箱をのぞき込み、カメラの元となった仕組みを体験した。
上映後の学習会では、フランスの学校で行われている映画鑑賞教育を参考に、「鑑賞ノート」を使用して映画鑑賞のポイントを学んだ。
小学生の部の『マロナの幻想的な物語り』では、主人公のマロナの名前の変遷や、場面の並べ替え、さらに劇中の画風やそれらに関連するモダンアートについての解説もあり、最後の質疑応答では画の表現に関する疑問を投げかける生徒が多く見られた。
『モダン・タイムス』については、サイレント映画からトーキー映画への移り変わりや、高度成長期、大量生産・大量消費の時代へと変化する中、喜劇役者としてチャップリンはどのようなことにこだわったのか。また場面展開や音楽に込められたメッセージなど、午前中の小学生に向けた話よりも、さらに深い内容の鑑賞ポイントが繰り広げられた。
中でも生徒・保護者ともに関心が高かったのは、“フィードバック”の大切さについて。常日頃、私たちは同じものを見ているつもりでも、人によってそれぞれ見ているもの(捉え方)が違う。自分の見えている世界を表現・発信することが重要だと「モダン・タイムス」を例に分かりやすく解説した。“フィードバック”することで、他人の見ている世界を理解することができ、自分の苦しみなども共感してもらえるかもしれない。「人種問題やジェンダー問題など、“フィードバック”してきた歴史により、法律が変わり、世界が変わるきっかけになった」と、具体的な例を挙げ、中学生にもわかりやすい言葉で伝えられた。
5月4日、5日に行われた高校生向けの「映画制作ワークショップ」は、さらに刺激的で濃密な2日間でした。詳しくは次回のコラムでレポートします。
珠玉の映画をふたたびスクリーンで!
「メ~テレシネマ映画祭2022」(名古屋)
会場:伏見ミリオン座(https://eiga.starcat.co.jp/)
日時:5月20日(金)~5月26日(木)
料金:各1,300円
先行上映:(not) HEROINE movies第1弾作品 「わたし達はおとな」(6月10日全国公開)
上映作品:
「あん」(2015) 「淵に立つ」(2016) 「勝手にふるえてろ」(2017) 「寝ても覚めても」(2018) 「愛がなんだ」(2019) 「his」「ホテルローヤル」「本気のしるし(TVドラマ再編集劇場版)」(2020)
メ~テレシネマpresents 「(not) HEROINE movies セレクション」(東京/大阪)
■東京
劇場:新宿武蔵野館(https://shinjuku.musashino-k.jp/)
期間:5月27日(金)~6月2日(木)
■大阪
劇場:テアトル梅田(https://ttcg.jp/theatre_umeda/)
期間:5月20日(金)~5月26日(木)
上映作品:
「勝手にふるえてろ」「寝ても覚めても」「愛がなんだ」「本気のしるし(TVドラマ再編集劇場版)」
先行上映:「わたし達はおとな」
※「(not) HEROINE movies」(ノットヒロインムービーズ)とは・・・?
メ~テレと制作会社ダブがタッグを組み、“へたくそだけど私らしく生きる”等身大の女性のリアルをつむぐ映画シリーズ。次世代を担う映画監督と俳優たちを組み合わせ、それぞれの感覚と才能を思う存分発揮できる場を生み出し、排出するプロジェクト。何ドンもされない。胸キュンもしない。恋とか愛とか生きるとか自意識とか、考えすぎてこんがらがって。それでももがいて生きている“ヒロイン”になりきれない“ヒロイン”たちの物語を描く。
アンバサダー松井玲奈さんに聴きました
「メ~テレシネマ映画祭2022」のアンバサダーに愛知県出身の松井玲奈さんが就任。
映画祭の魅力を松井さんに伺っていきました。
メ~テレの朝の情報番組「ドデスカ!」やメ~テレシネマの公式YouTubeチャンネルで数回にわたってお伝えします。
(松井さんは、(not) HEROINE moviesの第2弾作品「よだかの片想い」に主演)
アンバサダー松井玲奈が語る!「メ~テレシネマ映画祭2022」の魅力