ガンダム40周年!コラボ続々!
「機動戦士ガンダム 40周年プロジェクト」が2019年から始動している。
1979年4月、「機動戦士ガンダム」の放送がはじまり、その後「ガンダムシリーズ」の作品数も増え、様々な展開を見せてきた。
私はいわゆる“ガンダム世代”の少し下の世代。実は“ファースト(ガンダム)”をちゃんと観たのは、今から10年前です。
当時所属していたメ~テレ(名古屋テレビ放送)が行ったイベント「生誕30周年祭in NAGOYA ガンダムTHE FIRST ~未来創造の世紀へ~」の司会をするためでした。
私の担当ステージは、富野由悠季監督やガンダム好きの及川光博さん、土田晃之さんらとの、なかなかコアなトークステージだったため猛勉強。作品を観るのはもちろん、関連本を読み込み、当時はちょっとしたガンダムオタクレベルの知識を詰め込みました。
詰め込むというと無理矢理感がありますが、「ガンダム」のストーリーの面白さにハマって楽しんでいました。
衣装は地球連邦軍のセイラさんかマチルダさんのどちらかを選べたのでマチルダさんをチョイスしたのですが、土田さんには「ジャブローのおばさんでしょ!」と言われてしまいました。(わかる人にはわかりますね。)
それはさておき、それから10年経ち、2019年から始まった40周年プロジェクト。テレビ放送、ガンダム宇宙世紀シリーズ最新作の公開、その他様々なコラボがめまぐるしく展開しています。
さあ、ここからが本題。
今回のインタビューは、結成30周年を迎えたLUNA SEAのボーカル・RYUICHIさんとベースのJさんです。
同じくLUNA SEAのギタリスト・SUGIZOさんが、この「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の記念テーマ曲「THE BEYOND」をプロデュースしていて、この曲は12月18日にリリースしたLUNA SEAの最新アルバム「CROSS」に挿入されているのです。
また、2019年4月からNHK総合で放送された「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」では、全オープニング、エンディング楽曲をSUGIZOさんがプロデュース。オープニング曲はすべてLUNA SEAが担当しています。
さらに先日、ガンプラ40周年とLUNA SEA30周年のコラボ企画「MG LUNA SEA専用ザクII」が発売になると発表されました。(「THE BEYOND」をシングルカットした”CD”に、「LUNA SEA専用ザクII」が付属するオリジナル・ガンプラ付パッケージ)
なんだか情報が多くて分かりづらいですが、つまり、黒くて格好良いザクのプラモデルが出たようです。(ガンプラ作ったことは無いですが、これはちょっと欲しい)
ということで、今回、最新アルバム「CROSS」と、2月1日からスタートした30周年全国ツアーのキャンペーンで来名した、LUNA SEAの RYUICHIさんとJさんに、アルバム制作について、「THE ORIGIN」のオープニング曲「宇宙の詩~Higher and Higher~」について、30周年ツアーについてなど、お話を伺いました!
ファンとしては、もっと色々深いことを聴きたいところでしたが、今回はメ~テレの番組用のインタビュー。あまりコア過ぎないように、テレビをご覧になる多くの方にLUNA SEAの良さを知ってもらいたい!という思いでお話を聴いております。
※インタビューの模様は、2月18日(火)深夜0時51分~のメ~テレ「BomberE」で放送予定です!
LUNA SEAが欲しくて欲しくてしょうがなかったサウンド!
――昨年末12月18日にNEWアルバム「CROSS」がリリースされました。グラミー賞を5度も受賞しているスティーヴ・リリーホワイト氏が共同プロデュースということで、皆さんは少年に戻ったように楽しく音楽づくりをできたということですが、改めて振り返っていかがですか?
RYUICHIさん「やはりスティーヴの懐の深さ、人間性みたいなものを感じました。すごく高圧的なのかな?とか縛りがあるのかな?とか、大プロデューサーなので、“お前らこうやれよ”みたいな感じが少しはあるかな?と思ったんですけど、ゼロでした。好きにやってくださいと。ただ彼が曲を聴いたときに、率直に“こうしたらどう?”と返してきて、誰かが嫌だと言うとまた戻したりとか、すごく柔軟に最後までやってくれました。一番最初にお忍びでライブを観に来てくれて会った時も、彼の会話によって、バンドがちゃんとひとつになっていくんですよね。そのまとまり感がすごかったと思います。」
Jさん「もともと僕らはスティーヴが作った、U2やストーンズのアルバム、その偉大なバンドの音楽を聴いて育った世代ですから、彼と一緒に作業していること自体不思議なことなんですよね。自分たちが30年間やってきた音楽への情熱みたいなものを彼と一緒に共有して、そこから色々な刺激を受けた。悲しいんですけど、30年もやっていると刺激を受けることは無くなっていく。でも今回この10作目になるアルバムは刺激のみで、おっしゃった通り、童心に帰るような、“やっぱりロックってこうだよね!音楽ってこうだよね!バンドってこうだよね!”ということを改めて気づかせてくれた、学びばかりのレコーディングだった気がします。」
――お二人は今年50歳ですよね?それで童心に帰れるというのはなかなかないことじゃないですか?
RYUICHIさん「まだまだ音楽の世界は学びに満ちているというか、驚きに満ちているんだなと、すごくパワーのある世界だなと思いました。いままでJも僕もわかったふりをしていたわけじゃないけど、確かに驚きって日々減っていくので、“あ、この景色がこんな風に見えているのか!”という驚きなんですよね。音が変わって返ってくる。是非で言うと、是としている場所が違うというかね、すごく新鮮でした。」
――アルバムの中で、「これは自分にない感覚のものが帰ってきたな」という曲は?
Jさん「僕は最初のセッションの段階では不安もあったんですよね。何故かというと、僕らはいままでプロデューサーという外部の力を借りたことがないので、自分たちでずっとやってきたものが“どういう形で戻ってくるんだろう?”“僕らの意見をどういう風に受け入れてもらえるんだろう?”という期待と同時に同じくらいの不安もあったりして。プリミックスが帰ってきた段階で僕はもう何の問題もなくて、“これはとんでもないことになるぞ!”というのがすべての曲においてあったんですよね。“こんなにJが何も言わないレコーディングはこれまで無かったね!”って言われるくらい(笑)。凄いというのを日々感じていましたね。」
RYUICHIさん「僕は一曲目が返ってきたときに、最初は聴きなじみのない音というか、自分たちが録ってきたものと“あれ?全然違う!”って思って、戸惑うくらいだったんですよ。それをずっと聴いていったら、例えば、音の強さとか太さは人によって感じ方が違うわけですけど、“タイトなんだけどふくよか”という、相反するものが低域にも中域にも高域にも存在していて、声もパッと聴いたら若々しくなったように聴こえるんだけど、その奥に深みがあったり。ベースとかバスドラもそうで、“あれ?シャキッとしたのかな?ロー(タム)が無くなったのかな?”と思うと、とんでもないローがすごくあったり、その相反するものが“何で共存できるんだろう?”と気づき始めるんですね。もちろん、今までが悪いという話ではないんですけど、今まで俺たちが出そうと思っていた音楽の景色とは確実に変わったなと、マジックを感じました。」
――30年目にして、その気づきがあったのは、やはり大きなことですか?
RYUICHIさん「これが良しとされると、もうスティーヴとしか出来ないってなっちゃうし、ね?」
Jさん「うん。」
RYUICHIさん「また別の人とやれば、違う景色になるんでしょうけど。それくらいの衝撃がありましたね。」
――それから、歌詞も気になったのですが、これまでよりもポジティブな詞のように感じました。RYUICHIさんはご病気を経験されて、さらにポリープ切除もあり、昨年は2度手術をされました。それが関係しているのかなと思ったのですが?
RYUICHIさん「そうですね。関係がないというのは嘘になってしまうと思うので。自分は今回手術を得て、“得て”とあえて言っているんですけど、手術から学んだことは、やっぱり前向きに一日一日をしっかり後悔しないで生き抜いていく、ということに立ち戻れたというか…うん。流れていくんじゃなくて、もし“死”に出会ったときでも、自分の人生を誇れる人生にしたいなと、そんな気持ちになったので、そういうことがもしかしたら歌詞の世界にも影響しているのかもしれないですね。」
――Jさんはその歌詞は客観的に見ていかがでしたか?
Jさん「30周年という節目を迎えるタイミングで、レコーディングもそうですし、メンバーの病気もそうですし、そういうものが一斉に起きたので、色々気付かされることはありましたよね。自分たちが10代の頃からバンドをやりはじめた長い長い時間の中で、色々なものが変わっていくし、色々なものが…何ていうのかな…自分たちの見ている先、道のり、そういったものを作っていってくれているんですよね。それは当然いまここに存在するんですけど、その先も見たいじゃないですか。さらにその先も見たいじゃないですか。まだまだ僕たちは何も満たされていない。今回のアルバムもそうですけど、その先にある世界を掴みに行きたいという思いが強くなっていくし。そうなったときに、一瞬一瞬が大切なんだなというのを改めて感じるんですよね。約束されたものなんて一つも無いんだと。だけどそこに向かってこの5人は走っていきたいという思いは、メンバーそれぞれ感じ方は違うけど、思ったと思いますね。」
――その「CROSS」の中には「宇宙の詩~Higher and Higher~」が入っています。「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のオープニング曲ですが、ファーストガンダムはこのメ~テレ・名古屋テレビで作られたのはご存知でしょうか?
RYUICHIさん「知らなかったです!」
――という、少なからずご縁があるということで。改めて「宇宙の詩~Higher and Higher~」はどんな曲でしょうか?
RYUICHIさん「ガンダムは僕もファンだったし、プラモデルも子供の頃作りましたしね。LUNA SEAというバンド名にある月も海も、宇宙と繋がっていくし、(詞を)書いていて、ガンダムに寄せなくても、LUNA SEA色が逆にガンダム色になっていくような、そんな不思議な感覚もありました。やっぱり宇宙には光もあれば闇もあるし、喜び、幸せの裏側には痛みもある。主人公の葛藤とか若さゆえの衝突とか、僕らがこの30年間経験してきたものとすごくたくさん重なるものがあって、その中でより良くなるために努力しようとしてもがいている感じとか。この曲にはそういう熱量があると思います。SUGIZOが音楽監督としてガンダムの作品を手掛けるということでLUNA SEAに白羽の矢が立ったんですけど、こんなに光栄なことは無かったし、本当に無理せずタイアップと寄り添うというか、LUNA SEAらしくやったらハマる、という不思議な作品です。」
Jさん「以前から、ライブの時にSUGIZOが“今日ガンダムのスタッフが来てくれてるんだよね、LUNA SEAのすごいファンでいてくれるんだよね”ということがあって、“おいおい、あのガンダムだろ?”という話をずっとしていたんですよ。SUGIZOもね、今回ガンダムの音楽を作れて、彼自身は色んなものを背負い込んで、思いを注いだ曲だと思う。それはデモテープの段階から僕も感じられたので、その曲をロックさせることに全力を注ぎました。」
――本当にいい曲ですよね。
Jさん「ですよね。」
――そしてツアーが今週末からはじまりますね。(1月27日取材)名古屋はSOLD OUTしてしまっているのですが、楽しみにしている東海地方の皆さんにメッセージをお願いします。
RYUICHIさん「名古屋の皆さんとは、数々のライブでたくさんエネルギーのかぶせ合いといいますか、高め合いを一緒にしてきて、本当に思い出に残るライブがたくさんあります。今回の名古屋でのライブも過去を超えられるライブになったらいいなと思うし、メンバーが自分たちの昨日を超えていく、そんな姿勢で挑んだときに、皆がどんな風に応えてくれるのかをすごく楽しみにしています。本当にありふれた表現かもしれないけど、どこよりも熱い場所になると思うし、僕らの生き様みたいなものを、今のLUNA SEAを、皆さんにお届けできたらと思います。」
Jさん「今回、自分たちにとってもものすごく意味を持つ10枚目のアルバム「CROSS」。スティーヴ・リリーホワイトと作った本当に世界基準の僕たちが欲して欲しくてしょうがなかったサウンドをやっと作り上げることができました。そのアルバムを引っさげたツアーなので、僕たちもライブ一本一本が楽しみでしょうがないんです。何が起きるか、何を起こそうか、リハーサルスタジオでメンバーとニヤニヤしながら話している(笑)、そんなツアーです。名古屋の皆さん、もうチケットSOLD OUTしているみたいですけど、予約流れとか出ないですか?」
RYUICHIさん「大きい会場だとよくあるもんね。」
Jさん「ねー。ぜひチェックしていただいて、遊びに来てもらえたらなと思っています。」
――私はSLAVE(ファン)なので、ライブでどの曲が化けそうか、とか気になるんですが。
Jさん「見てのお楽しみですね(笑)」
RYUICHIさん「わかんないんですよね(笑)。色んなものに誘発されるものだから。ファンに誘発されることがすごく多いし、ちょっとした照明の感じとか、いい意味のクラッシュが起こりますからね。僕らもすごく楽しみです!」
LUNA SEA NEW ALBUM 「CROSS」 2019年12月18日リリース
結成30周年のメモリアルイヤーに放つ、通算10作目の最新オリジナルアルバム!グラミー賞5度受賞のスティーヴ・リリーホワイトとの共同プロデュース作品。
「宇宙の詩~Higher and Higher~」
MV: https://sp.universal-music.co.jp/lunasea/cross/movie/
※「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」 2月8日(土)から4週にわたりNHK BSプレミアムで集中放送。
※「MG LUNA SEA専用ザクII」付属 CD「THE BEYOND GUNPLA 40th EDITION」4月29日発売!(数量限定生産商品につき、規定数量に達し次第販売終了)
・UNIVERSAL MUSIC STORE
・TSUTAYA RECORDS(店舗・TSUTAYAオンラインショッピング)
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2020年7月23日公開)
ガンダムの生みの親でもある富野由悠季監督により、1989 年に出版された同名小説を原作として、2020 年全国公開予定の新作アニメーション映画作品。 宇宙世紀 0105 年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)で苦い別離を経験した、ブライト・ノアの息子ハサウェイが、新型モビルスーツ、Ξ(クスィー)ガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。