9月14日(日)、名古屋の伏見ミリオン座とミッドランドスクエアシネマで映画『風のマジム』公開記念舞台挨拶が行われ、主演の伊藤沙莉さん、芳賀薫監督が登壇。今回は司会を担当させてもらいました🎤
映画同様”真心”を感じるとてもあたたかいお二人のお話をお届けします。
伊藤沙莉、撮影中に思わず涙…沖縄で感じた“真心”とは?(動画)
先週沖縄で先行公開され大きな反響を呼んだ、映画『風のマジム』がついに全国公開!その公開3日目となる9月14日には大阪に続き名古屋の映画館でも公開記念舞台挨拶が実施され、主演の伊藤沙莉、芳賀薫監督が登壇。
満員御礼で迎えたこの日、主人公『伊波まじむを熱演した伊藤は、観客からの大きく温かな反応に歓喜し、『「こんなにたくさんご来場いただき、本当に本当にありがとうございます」と笑顔で挨拶。芳賀監督は上映直後に場内では大きな拍手が起こったという報告を受け、楽しんでいただけたことに「安心しました」と感謝とともに伝えた。

全国公開を迎え、改めて撮影を振り返った伊藤は、とても仲が良かった現場だったことを明かし、「皆が同じ熱量で同じ方向を向いていることがとても大切だと思っている。力を合わせて作っていけた感じがあって、絆が生まれ現場として居心地が良い素敵な空間だった」と回想。一方、芳賀監督は伊藤の凄さを感じた一つとして手紙を書くシーンをあげ、「手紙を書くだけだと思っていたが、まじむが感情を噛みしめながら書いているのがあの家に広がっていて」と自身の想像を超えた伊藤の演技を賞嘆するとともに、まじむ役を伊藤へ熱望した理由について「演技の中で他の人の発言や行動をきちんと受けて動いているようにみえる」ことに惹かれたと語った。

共演シーンでは、伝説の醸造家瀬名覇仁裕役を演じた愛知県出身の滝藤賢一との話題に。伊藤とは何度も共演経験があるが、これまでと異なる穏やかな空気の中で一緒に芝居をするのは初めてに近かったようで、「やっぱり素敵な先輩。勉強になることもたくさんあるけれど、一緒にお芝居をしていて楽しい役者さん」と心から尊敬していることを振り返った。また、自身で直接酒蔵へ訪問してリサーチしたり、芳賀監督がロケハンで撮影したモデルとなった工場の映像などを通して、本作では柔らかい人柄を見事演じた滝藤を絶賛した。


そして「まじむ」とは沖縄の方言で『「真心」を意味することから、撮影現場での“真心エピソード”について聞かれると、伊藤は『「屋上で社長たちを前にプレゼンを行うシーンで、“風土を愛し”という沖縄への愛情をまじむが語るセリフがあり、(沖縄出身の役者)一人ひとりの目を見たときに泣きそうになってしまって。自分が生まれ育った土地への想いが目に溢れていると感じ、お互いの“真心”が合流した瞬間をすごく感じた」とし、映画の撮影を飛び越えた“真心”感じる瞬間が、忘れられない素敵なひとときだったことを明かした。
そして舞台挨拶を締めくくる最後の挨拶で、伊藤は「“好きに迷いなく前を向き続けていたいとこの映画から思わせてもらいました”といったポストを見たときに本当に良かったと思った。生まれた感情を大切にしづらいことが意外とあると思うが、そんなに気負わず、大切にするということを意識して過ごしたら幸福なのでは。この映画を観てそんな気持ちになっていただけたら嬉しい」と温かい連鎖が巻き起こることを期待しつつ、「常にエゴサーチしています(笑)、感想や温かな気持ちを書いていただければどんどん輪が広がる。ぜひ宣伝活動に協力してくれたら」と発言して会場を笑いに包みこんだ。
芳賀監督も『「この物語は普通の女性が、自身が感じた夢を伝えたり、誰かが何かを言ってくれたり動いてくれたりしたことを感じ取って少しずつ成長する作品。自身にも置き換えて、やってみたいことにも反映もできる。身近で頑張っている人がいたら、少し背中を押して応援してあげたりすることが、真心が伝わっていくことだと思う。まじむの物語を観たことを思い出してもらえたら嬉しい」と観客に呼び掛けた。

映画『風のマジム』を解説!
映画『風のマジム』とは?
累計発行部数が14万部を突破している原田マハによる同名小説「風のマジム」映画化。「沖縄・南大東島の風に吹かれて育つサトウキビで特別なラム酒を作りたい」と思い立ち、社内のベンチャーコンクールを活用してビジネスを立ち上げ、契約社員から社長になった金城祐子氏の実話が基になっいる。沖縄・那覇で平凡に暮らしていた契約社員の主人公・伊波まじむが、人と出会い、周囲の人々を巻き込みながら、家族に支えられ、夢を実現していく、まじむの成長と彼女を取り巻く人々の“真心”の物語。主人公・まじむを演じるのは、NHK連続テレビ小説「虎に翼」で佐田寅子を熱演した伊藤沙莉。等身大の親しみやすさと、夢を決して諦めない芯の強さもみせる主人公を、温かみのある沖縄の方言で演じる。共演に高畑淳子、富田靖子、染谷将太、滝藤賢一ら実力派が集結。監督は、本作が映画初監督ながら、CMやショートフィルムで非凡な才能を発揮し続ける芳賀薫。ただただ「沖縄のサトウキビでラム酒をつくりたい」という夢に向かって駆け抜けるまじむと、彼女を取り巻く人々の温かさに包まれる、”真心”のつまった物語だ。
映画『風のマジム』ストーリーは?
那覇で豆腐店を営む祖母(高畑淳子)と母(富田靖子)と暮らす伊波まじむ(伊藤沙莉)。契約社員として勤める通信会社で任されるのはコピーや雑務ばかりで、夢も目標も見つからず、日々を持て余していた。ある日、行きつけのバーで味わったラム酒の美味しさに心惹かれるまじむだが、沖縄のさとうきびでつくられたラム酒がないことを知る。そんなとき、偶然、社内ベンチャーコンクールの募集を目にする。「南大東島のさとうきびで沖縄産のラム酒をつくる」――そのひらめきが、彼女の人生を大きく動かしていく。
契約社員として唯一審査を突破するが、待ち受けていたのは資金難や知識不足、そして島民からの反発。簡単には進まない現実に何度も挫けそうになるが家族や仲間たちに支えられ、まじむの挑戦はやがて地域を動かす大きなプロジェクトへ――。
作品概要

タイトル:「風のマジム」上映中
原作:「風のマジム」原田マハ(講談社文庫)
監督:芳賀薫
脚本:黒川麻衣
出演:伊藤沙莉/染谷将太/尚玄 シシド・カフカ 橋本一郎 小野寺ずる/なかち 下地萌音 川田広樹/眞島秀和 肥後克広/滝藤賢一/富田靖子/高畑淳子
主題歌:森山直太朗ユニバーサルミュージック)「あの世でね」
製作・配給:コギトワークス
公式HP:https://majimu-eiga.com/
©2025 映画「風のマジム」©原田マハ/講談社
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