沖縄戦後史を描いた『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』2部作、そして、戦中史を描いた『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』で綿密な取材によりこれまで知り得なかった沖縄の歴史をスクリーンに映し出してきた佐古忠彦監督。最新作では沖縄の民意を最も表わす存在「沖縄県知事」を描く『太陽(ティダ)の運命』。反目する立場だった第4代知事の大田昌秀と第7代知事の翁長雄志。2人の苦悩と闘いの先には現在の沖縄がある。新たな意欲作を世に送り出す佐古監督に4年ぶりにお話を伺った。
映画『太陽(ティダ)の運命』佐古忠彦監督インタビュー
「筑紫哲也NEWS23」でキャスターを務める傍ら、ディレクターとして沖縄、戦争、基地問題などを取り上げてきた佐古忠彦監督。沖縄に通い始めて四半世紀となるという。今回描くのは沖縄の現代史。他府県の知事とは明らかに違う苦悩を抱える沖縄県知事の姿がこの映画『太陽(ティダ)の運命』で映し出される。膨大な素材とインタビューから私たちの知らない沖縄が見えてくる。
映画『太陽(ティダ)の運命』を解説!
政治的立場は正反対であり、互いに反目しながらも国と激しく対峙した二人の沖縄県知事がいた。1972年の本土復帰後、第4代知事の大田昌秀(任期1990~98年)と第7代知事の翁長雄志(任期2014~18年)である。ともに県民から幅広い支持を得、保革にとらわれず県政を運営した。大田は、軍用地強制使用の代理署名拒否(1995)、一方の翁長は、辺野古埋め立て承認の取り消し(2015)によって国と法廷で争い、民主主義や地方自治のあり方、この国の矛盾を浮き彫りにした。
大田と翁長、二人の「ティダ」(太陽の意。遥か昔の沖縄で首長=リーダーを表した言葉)は、知事として何を目指し、何と闘い、何に挫折し、そして何を成したのか。そこから見えるこの国の現在地とは―。
沖縄戦後史を描いた『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』2部作(2017/19)、戦中史を描いた『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』(2021)に続く佐古忠彦監督最新作は、それぞれの信念に生きた二人の知事の不屈の闘いをたどり、その人間的な魅力にも光を当て、彼らの人生に関わった多くの人々の貴重な証言を交えて沖縄現代史に切り込んだ、全国民必見のドキュメンタリーだ。
公式HPより
作品概要

タイトル:「太陽(ティダ)の運命」(琉球放送創立70周年記念作品)
監督:佐古忠彦
語り:山根基世
テーマ曲:「艦砲ぬ喰ぇー残さー」 作詞・作曲:比嘉恒敏
制作:琉球放送 TBSテレビ
配給:インターフィルム
公式HP:https://tida-unmei.com/
©2025 映画「太陽の運命」製作委員会
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